地域をつくる。発表する。

地域を楽しくするアイデアを考えてみる!

授業では、数カ月にわたり、多角的に物事を掘り下げて考える力をつけることに重点を置いて授業をおこなってきました。地域の方へのインタビューの基本も、現在・過去・未来の事実と感情(喜怒哀楽)をあらゆる方面から深掘りすることです。

では、多角的に物事をとらえ、柔軟に考える練習をしてきた生徒たちが、地域を楽しくするアイデアを考えたら?

岬中学校1年生は、学校近くの「椎木商店街を楽しくするアイデア」と「いすみ市に人が来たくなる旅プラン」を考えていきました。

 

市民に発表!うれしい反応が続々。

EE法という手法を使い、89人の生徒から全部で約20個のアイデアが生まれたうち、『いすみローカル起業フォーラム』というイベントのなかで、当日集まった数十名の市民の方々に代表生徒3人から3つのアイデアが発表されました。

まずひとつ目は、「漁師と中学生と旅人の日替わりメニュー」という旅のプラン。豊かな海のまちであるいすみ市ではイセエビやタコをはじめ、さまざまな海産物が獲れますが、旅人と中学生が漁師と一緒に漁に出て、そのとき獲れた旬のもので、刺身、汁物、炊き込みごはん、カレーなどの料理をつくり、いすみ市名物の朝市で販売するというものです。これにはこの日来ていた朝市実行委員会の方々も「ぜひ現実させましょう!」と力強いコメントを寄せてくれ、代表生徒もうれしそうな表情を浮かべていました。

続いては、こちらも学生参加型のもので、いすみ市の田んぼでアートするアイデア。全国的に有名ないすみ鉄道からも見られるようにすることで、「春の菜の花と桜だけでなく、秋にも名物を」と話し、あとから駆け付けたいすみ鉄道の社長を「素晴らしい!」とうならせました。

最後のアイデアは「椎木商店街に某youtuberを招き、いすみ市特産の梨を使って…」というもので、実は一番実現可能性があるのでは?と思わせるものでした。イベント参加者も生徒の発表に興味津々。発表後にはいくつもの質問が中学生に寄せられましたが、そのすべてによどみなく答える生徒たちの姿に、「発表がすごくよかった」「涙腺が緩んだ」とあとから報告してくれた人もひとりやふたりではありませんでした。

なお、代表生徒はアイデアの内容で選ばれたわけでないため、当日発表されなかった班のアイデアも素晴らしいものでした!

※後日談ですが、生徒の「椎木商店街に某youtuberを招き…」のアイデアを実際にそのyoutuberの所属する東京のyoutuber事務所に直接持ち込んだところ、とても好感触。「ぜひやりましょう」ということになったのですが、その後スケジュールNGになってしまいました。youtuber本人は乗り気だったそうです。…惜しい!