前回のおさらい
取材チーム・探求チームに分かれて、取材チームはインタビュー記事を、探求チームは探求したい「問い」について、興味を持った理由、答えの予想、その問いを確かめる方法を考えていきました。
図鑑づくりも大詰めに差し掛かっています!
ネットで調べたことは、答えになる?
探求チームは、「問い」を確かめるための方法を、悩みながらも考えています。
「インターネットで調べる」
と、多くの生徒が書いています。
確かにそれが一番手っ取り早い方法。ネット世代ならではのアイデアです。
ただ、ネットで調べたことをそのまま問いの「答え」にしてしまってはいけません。なぜなら、それはあくまでも「ネット」の答えだから。問いの「答え」は、ネットで調べたことも参考にしながらも、「自分で」考えることが必要だからです。
講師の磯木さんは
「自分が調べたこと」と、「自分が考えたこと」を明確に区分することが大事です。
と生徒に伝えていきますが、生徒たちはなかなか苦戦している様子です。
取材したこと、探求したことを伝えたい相手は?
磯木さんはこう話します。
メディアの役割は「自分の知っている事を、知らない人に伝える事」。そのために取材チームは、「取材したことを知らない人に教えてあげること」と「自分の感じたことを伝えること」が大事。探究チームは「自分たち自身で調べた事」と「自分たち自身の考えた事」を伝えてください。
この中に、ネットで調べたことをそのまま書くということは含まれないのです。
生徒たちはこれまでの取材を通じて、地域おこしや、医療、食べ物、命、国など、たくさんのテーマについて学び、ゲストの思いを感じ取り、探求を通じて「考えること」を続けてきました。
この授業を通じて、自分が経験したこと、学んだことを、知らない人に伝える。これが、取材内容をまとめるチームの大切な役割です。
続いて探求チームは、探求したことをどんな人に伝えたいか、ターゲットを決めていきます。
ターゲットが違えば、「伝え方」が変わってくるからです。
小学生に伝えたいのなら、簡単に噛み砕く必要がありますし、大人に伝えたいのなら、大人の知らないことを伝える必要があります。
と磯木さん。
班内で「伝えたい相手」は統一します。メンバーみんなが同じ方向を向いて、探求していくことが大事です。
「店とは?」という問いを立てた班がありました。「誰に伝えたい?」と尋ねると、「これから店を始める大人!」と返ってきました。僕も飲食店をやるので、教えて欲しいな。
また別の班は「命に違いはあるの?」という問いを設定していました。この班は「同じ世代(中学生)に伝えたい」と意気込んでいました。この貴重な経験を、他の中学生にもどんどんシェアして欲しいです。
探求テーマを模造紙に下書き!
班に一枚ずつ、模造紙が配られます。探求テーマをこの模造紙にまとめていきます。いよいよまとめ作業も大詰めという感じ!
「タイトルの字体が「謎」っぽいクネクネがいいよねー」
と生徒。
中身より体裁にこだわる…。ちなみにこの模造紙、まだ下書きです。まあ、楽しそうでいいけど。
一方の取材チーム。質問とその答えを書き出し、順番を並び替え…その繰り返し。
「大変だけど楽しいです!」
楽しそうで何より。とにかく、「図鑑づくり」を楽しんでいる生徒たち。ちゃんとまとまるかどうか心配ではあるけど、楽しんでやれば何とかなる?!
来週も気合いを入れて、図鑑づくりに取り組みます!お楽しみに!
テキスト:椎葉康祐