授業⑬『国』って、なに?

前回のおさらい

前回は、助産院「ハッピーマンマ」の羽鳥さんを取材しました!

赤ちゃんとお母さんの「命」にかかわり、「命」をつなぐ仕事をされている羽鳥さんからの言葉一つ一つに重みがあって、「『命』とは何なのか。」ということを深く考える機会になりました。

「赤ちゃんとお母さんどちらかしか助けられないときにどちらを選ぶ?」という究極の質問にも、「みんなだったらどうする?」と、質問した生徒たちに問いかけながら、「どちらの命も救うのが助産師の使命」と言い切る羽鳥さんの仕事への情熱には、胸を打たれました。

「命」について、生徒たちも、ゲストの羽鳥さんも、中学校の先生たちも、我々メンバーも、みんなで向き合い、考えることができました。

次回のゲストは、アメリカからやってきた日本酒の蔵人


次回、5人目のゲストは、木戸泉酒造の蔵人で、(株)ポッツ家プロダクションズ代表取締役のジャスティン・ポッツさん。
いつものように問いを考えていきます。

ジャスティンさんは、日本の良さを広める活動をしています。

この事実について具体的な質問を考えて、10個にしぼります。
房総すごい人図鑑の授業がスタートした9月から何回も繰り返された、問いを考える作業に、馴れてきた様子の生徒たち。
 
とにかく沢山ふせんを書いている班
ふせんをきれいに貼る班
ふせんを貼った紙を見やすくまとめる班
リーダー的な子にゆだねる班
ひとつづつ読み上げて多数決をとる班

ふせんのまとめ方や選び方など班ごとに特徴が出てきました。

「なぜ蔵人になったのか? お酒造りに興味をもったのか?」といったような、外国の人が日本文化に興味をもつことへの疑問。
そして、移住者に対していつも出てくる「なぜ、いすみ市へ移住したのか?」を繰り返すことで地域に対して愛着や自信につながるといいな。

「国ってなんだろう」

ジャスティンさんへの問いを考えたあとは、探求テーマ「国ってなんだろう」について、3つのテーマで話し合います。

1)なぜ人は国をつくるのか?

生徒の意見

・力を持った人たちが自分のモノにしたかった。
・人が多いから管理しやすいサイズにした。

2)国境線や隣町との境はどうやってできた?

生徒の意見

・自然に分かれた。大陸移動で
・その土地にきた人が決めた(コロンブスとか)
・地図を作った人が決めた(伊能忠敬とか)
・しゃべる言葉で分かれた

3)国によって場所によって言葉が違うのはなぜ?

生徒の意見

・文化がちがうから
・先に住んでいた人のなごり、教え。

などなど

「国」について、答えのない問いを考えるのはむずかしそう。班での話し合いもいつもより盛り上がりに欠けていた印象です。


「国境や自治体の境って?」について考えるときに、講師の磯木さんが生徒たちに出したヒントとして社会の授業で習っている室町時代や南北朝にからめて話すと頭がクリアになる生徒がいた反面「ヤバい!歴史ぜんぜんわかんない~」と勉強と紐づいた途端にアレルギー反応が出てしまう生徒もいました。

さて、次回のインタビューはどのようになるでしょうか!?

テキスト:清水京子,椎葉康祐