授業⑤『まちづくり』って、なに?

〈前回のおさらい〉

前回の授業では、「テーマをより深く知る質問づくり」と題して、「Iさんは先生である」という事実に対する具体的な質問を考えていきました。
普段よく接している先生のはずなのに、今回の質問を通じて初めて知ることがあったり、先生の「思い」を理解するきっかけになったり…と、質問づくりが、生徒たちと先生がより深くつながる契機となりました。

「先生」とは?

今回の授業ではまず、「先生とは?」という「先生」という概念に対する質問を考えていきます。

・なぜ『先生』と言うのか?
・いつから『先生』(という存在)があるのか?
・そもそも『先生』は必要なのか?

班で出た、このような質問のなかで、面白い、深めてみたいと思うものをさらに深めていきます。

あるグループではこのような会話が行われていました。

A:「どうして先生が存在するの?」
B:「受験があるから」
A:「どうして受験がある?」
B:「なぜ受験があることを疑問に思うの?」
A:「受験がイヤだから・・・」

会話の内容云々は置いといて、「質問を深める」という観点では、授業を通じて生徒たちが独力でかなりできるようになっていると感じました。

このあと、スライドで3つの問いが提示されました。

実践インタビューに向けての質問づくり

次のトピックに移ります。
授業の内容は、「地域で働く人たちへの取材」に向けてさらに実践的なものになっていきます。
実際に取材する人への「質問づくり」を練習していきます。
生徒たちが次回取材するゲストは、NPOいすみライフスタイル研究所の奥村さん。

早速、生徒たちは奥村さんのプロフィールを見ながらどのような活動をされている方なのかを把握しています。

そしてお題は、「奥村さんはいラ研(いすみライフスタイル研究所)で地域活動をしている」という事実に対しての質問づくりです。

・なぜ地域活動を始めたのか?
・今までどのような地域活動を行ってきたのか?
・そもそも地域活動とは何なのか?

など、お題に即した質問をたくさん考えていたグループもあれば、「奥村さんはなぜアイドル活動をしていたのか?」など、奥村さんの略歴を見て考えた質問も見られました。

これは、「地域活動をしている」に対する質問にはならないですね…。表面的な所に引っ張られずに、今、何に対する質問を考えているのかを意識するのが大切なんですね。

質問をたくさん挙げたあとは、その中で深堀りできるテーマを考えていきます。

質問の取捨選択は、インタビュー相手(今回は奥村さん)のことを知ることができる範囲、深さが変わってきますし、相手の魅力をどのくらい引き出せるかも変わってくるので、重要な作業です。

『まちづくり』って何?

今回取材する奥村さんが取り組んでいる「まちづくり」に関して、その根本を問う質問について考えていきます。磯木さんから提示されたのはこの3つ。
■『まちづくり』って何だろう?
■そもそも『まちの衰退』って何だろう?
■みんながなにをしたら『住みやすくて生き生きした街』になる?

ある生徒が、住みやすい街の条件として、「wi-fiがあること」というのを挙げていました。現代っ子らしい回答だなという感想とともに、現代の生活において「インターネット環境」は無くてはならないインフラであることを改めて認識させられる一幕でした。

生徒たちからも、ユニークな発想が生まれていました。

次回の授業では、いよいよゲストを招いて実際に質問をしていきます!
奥村さんに対する「質問づくり」と、その質問を「深める」練習、そして「まちづくり」について考え合ったことを生かして、奥村さんの取り組んでいる仕事について理解し、考える機会になるはずです。

「インタビューしたい班は?」と問いかけると、一斉に手が挙がりました。次週が楽しみです。

テキスト:椎葉康祐